吉祥寺 井の頭自然文化園で、ニホンカモシカが生まれました!
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生後29日!生まれた赤ちゃんは、ただいま公開中。
2022年7月6日(水)、井の頭自然文化園で「ニホンカモシカ」が1頭生まれました。お母さんは「すずな」、お父さんは「ムム」。赤ちゃんの性別はまだ不明ですが、現在、その元気な姿をカモシカ舎で見ることができます。
動物園で生まれた赤ちゃんは、一般的に、生後しばらく経ってから公開されますが、生後まもない姿が見られるのは、珍しいと思った方もいらっしゃるのでは?
井の頭自然文化園 教育普及係 動物解説員の山崎彩夏さんによりますと、実は、すずなお母さん、未明に屋外の放飼場で出産していたそうです。飼育担当者が母子ともに無事であることを確認した後、そのまま開園時間となったため、出産当日から公開になったとか。
「生まれた子どもは、昼間もまだ寝たり起きたり、おっぱいを飲んだりして過ごしています。一方で、草食動物は生まれてすぐに外敵から狙われることもあるので、割と体も大きく育った状態で、長い足と大きな耳を持って生まれてきます。まだ走るのは上手ではないですが、放飼場で母親にくっついて岩に登ったり、すでにたくましい様子も見られますよ。」と山崎さん。野生では滅多に見るチャンスのないニホンカモシカの子どもの姿を、ぜひ見にきてください!とのことです。
※現在、来園者に近い場所で子どもの世話をしているため、観覧通路に人止めの柵を設置しています。子どもの姿が見られない場合がありますが、しばらくは少し離れた場所から静かにそっと見守ってあげてくださいね。
日本の固有種で、特別天然記念物のニホンカモシカ。国内の動物園が協力して繁殖に取り組む。
井の頭自然文化園の発表によりますと、2021年11月8日にメスの「すずな」が名古屋市東山動植物園から来園し、オスの「ムム」とペアリングが行われました。
その年末に交尾行動が見られ、観察を続けたところ、今年7月5日にすずなの行動に変化が見られ、その翌日に放飼場で出産しているのを飼育担当者が確認。井の頭自然文化園では、約9年ぶりの繁殖です。
ニホンカモシカは日本固有種で、特別天然記念物にも指定されている希少な動物です。そこで、(公社)日本動物園水族館協会では、遺伝的多様性を維持しながら繁殖による飼育個体数の増加を図ること目標として、「ニホンカモシカ管理計画書」を作成し、国内の動物園が協力をして繁殖に取り組んできました。その計画の一環として繁殖に臨んできた、すずなとムムとの新しいペアの繁殖は、とても貴重な成果といえます。
高齢で初めての繁殖成功は貴重な例。
山崎さんによりますと、猛暑対策の扇風機を設置したり、日陰や落ち着く場所を作るなど、飼育担当の方も気を遣いながら出産に備えてきたそうです。
すずなとムムは、比較的高齢での初の繁殖でもありました。国内で飼育しているニホンカモシカの初繁殖の年齢の平均はオスメスともに約3歳11ヵ月、すべての繁殖例の平均はオスメスともに約7歳3ヵ月です。一方、すずなは11歳、ムムは8歳ですので、通常より高齢での初繁殖ということがわかります。これは、ニホンカモシカのペアリングがうまく成功した事例でもあり、今後の全国のニホンカモシカの管理計画に役立てられると思われます。(東京ズーネットより抜粋)
かつては本州・四国・九州に広く分布し、日本で昔から親しみの深い存在であった「ニホンカモシカ」。
すずなが見せてくれる子育ての様子を、ぜひ井の頭自然文化園に見に行ってみてください!
東京ズーネット井の頭自然文化園 公式サイトをcheck!