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浅場の湿地に貴重な植物が生える、新緑の季節。

吉祥寺の自然

「カワヂシャ」の白くて小さな花が咲きました。

井の頭池は、希少な植物が浅場の湿地に生える、新緑の豊かな季節を迎えています。
ボート場から池の南側に渡る、狛江橋近くの浅場では、湿生植物「カワヂシャ」の花が咲きました。
カワヂシャは、全国的に減少している植物で、都内でも、東京都が作成するレッドリストで3番目に危険度の高い野生生物『絶滅危惧II類』に選ばれています。
ちなみに、危険度が高い順に、絶滅危惧ⅠA類・ⅠB類・Ⅱ類となっています。
ほかにも公園内の浅場では、白い花を放射状に咲かせる「サジオモダカ」などの希少な植物が生育しています。

“さじ”のような葉の形の植物「サジオモダカ」(写真手前)が生育する湿地

いつも希少な植物がたくさん見られる井の頭池ですが、いつまでもそこにいると思っていても、私たちの行動の影響を受け、いつの間にかいなくなってしまうという現実。
毎年、こうして水辺に花が咲くのも、来園者や園の方が花を愛で、気にかけ、守ろうとする活動があってこそと思います。

現在は池の水位が上がり、湿生植物はあまり見られません。

春先の湿生植物の様子をお伝えしましたが、残念なことに、公園が4月15日から池の水位を15cm高くしたことにより、生育に適した場所が水没して深くなっているので発芽しておらず、現在はこれらの湿生植物をあまり見ることができません。
湿生植物の代表的なものには、サジオモダカ(絶滅危惧ⅠA類)、ジョウロウスゲ(絶滅危惧ⅠB類)、ミコシガヤ(準絶滅危惧)などがありますが、いずれも、今期は生育数が非常に少ないそうです。

ミコシガヤ
ジョウロウスゲ

湿地の環境を保つための作業も行う「かいぼり隊」に感謝!

湿生植物は、ヨシやガマといった大型の植物が増えてくると生育場所がなくなってしまいます。
川辺であれば洪水や波によって、田んぼでは耕す作業によってヨシなどが優位な状態がリセットされ、湿生植物の生育環境が保たれるのだそう。
井の頭池では洪水などの自然の撹乱が起こらないので、かいぼり隊のボランティアが作業をして湿地を維持してくれています。今年も2月、3月に行ったそうです。
かいぼり隊のみなさん。いつもありがとうございます!!!

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