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今年も「アメリカザリガニ防除活動」シーズンに!

吉祥寺の自然 アメリカザリガニ

かいぼり隊がワナを仕掛けます。6月から法規制もスタート。

散歩に訪れる人でにぎやかな、春の井の頭公園。
これからは「かいぼり隊」が浮き輪ボートで活動を行う様子も頻繁に目にすることができます。
冬の間はアメリカザリガニの動きが鈍ってワナにかかりにくくなるため防除活動をお休みし、その間にワナの補修や製作を行うそうです。
4月に、しまってあった罠を池へ運び、組み立てて池に設置。
4月~10月にかけて、カゴワナを使ったアメリカザリガニの防除活動が行われます。
今年6月1日からは、アメリカザリガニを野外に放すことが禁止されます。法規制のポイントもご紹介します。

4月〜10月の7ヶ月間、毎週ワナを回収する地道な活動。

2014年から始まったこのカゴワナによるザリガニ防除活動。今期設置する罠の数は、前年より50個程度増やした約230個。仕掛けた罠はなんと毎週、週2日かけて全て引き揚げ捕獲するのだそう。
池を綺麗に保つため、かいぼり隊は地道な活動を行なっています。

生態工房
カゴワナでアメリカザリガニを捕るかいぼり隊

2022年のアメリカザリガニ捕獲数は過去最多23794匹!

かいぼりを重ねるごとに低密度になっていたアメリカザリガニが、2022年に急変。これまでで最多の23794匹が捕獲されました。
複数の増加要因が考えられますが、そのひとつとして池全体に急激に拡がった外来水草コカナダモが、アメリカザリガニの食べ物やすみかとして利用されていることが挙げられます。
アメリカザリガニ捕獲ワナの増設と、捕獲効率のよいワナへの転換をすすめていくことが大切です。

カゴワナ 1 個あたりのアメリカザリガニ捕獲数の推移

かいぼり隊が改良を加えたコンテナ型捕獲装置が活躍中。

以前は、アメリカザリガニ防除では、カゴワナが一般的でした。井の頭池でも主流はカゴ型でしたが、近年開発されたコンテナ型を導入したところ好成績だったため、現在、かいぼり隊がさらに改良したものに置き換えていっているところだそうです。
新型ワナは既製品ではないため、材料を加工して組み立てているそうです。部品が多く、工程も複雑なワナを冬の間に50個も増産したそうです。

コンテナ型の捕獲装置。従来のネット型より、よく捕れている

なぜアメリカザリガニを防除するの?

それは、在来種の生物を守り、豊かな生態系を育むため。
井の頭池には、「イノカシラフラスコモ」や「シャジクモ」といった、絶滅危惧種の水草も生育しています。
アメリカザリガニは、ザリガニ釣りなどで親しまれてきた身近な生き物ですが、水中に葉や茎のある沈水植物や、水面に葉を浮かせる浮葉植物といった、やわらかい水草に特に被害をおよぼす外来種。
ザリガニの生息密度が高い池ではこれらの水草が全滅してしまうこともあるのだとか。かいぼり後に数種類の沈水植物が生育するようになった井の頭池の水草や、そこにすむ水生生物を失うことのないよう、日々の防除活動が行われています。

イノカシラフラスコモファイル
井の頭池で発見、命名されたイノカシラフラスコモ

それでも毎年、捕獲されるアメリカザリガニが数千匹にのぼる現実。
生態系への影響の大きさから規制が検討されてきましたが、ついに2023年6月1日からアメリカザリガニ(およびアカミミガメ)が「条件付特定外来生物」に指定。野外に放すことが法律で禁止されることになりました。

かいぼり隊ボランティアの地道な活動

6月1日〜アメリカザリガニを野外に放すことが禁止に。

2023年6月1日から、アメリカザリガニが「条件付特定外来生物」に指定され、
野外に放すことは法律で禁止されることになりました。
同様に、アカミミガメも規制対象になっています。

《ポイント1》
規制開始後も、一般家庭でペットとして飼育することはできます。
寿命を迎えるまで、おうちで大切に飼育してください。

《ポイント2》
野外に放したり、逃がしたりすることは法律で禁止されます。
違反すると罰則・罰金の対象となります。

《ポイント3》
もし、飼い続けることができなくなった場合は、
友人や知人に譲ったり、新しい飼い主を探す活動をしている団体に譲渡してください。
ただし、無償の場合でも、生きた個体を広く配ることは禁止されます。

法規制について詳しくは環境省サイトをCheck!
ページ最下部「普及啓発」欄には法規制のチラシ掲載あり。
(うち動画2件は生態工房制作。こちらもChcek!)

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