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いきものガイドツアー vol.1 いきもの達のディープな情報をお届け!

吉祥寺の自然 いきものガイドツアー

クローズアップ!不思議な目の秘密。

当コーナーでは井の頭自然文化園 動物解説員の草野さんにじっくりお話をうかがい、いきもの達のディープな情報をお届けします。
オンラインでツアー気分を味わったあとは、文化園に足を運んでみてくださいね!!

どうして?横長の瞳?

編集部:突然ですが、ヤギの目ってちょっと怖いです。

ヤギの目
瞳孔が横長、ちょっとドキドキ

草野さん:明るいところだと瞳が横長になっていますよね!あの黒い部分は、目に入ってくる光の量を調整する「瞳孔」という部分です。草食動物は同じような瞳孔をしています。ヒツジやカモシカ、ウマも同じです。

編集部:ウマもですか?黒目がちなイメージがありました。

馬の目
確かに細長い瞳孔をしています ※参考画像

草野さん:そうなんですよ。暗いところでは丸くなります。瞳孔の動きはこんな感じ。

瞳孔について
明るい時・光の量を絞るため、横長に縮む瞳孔
瞳孔について
暗い時・光の量を増やすため、ほぼ丸くなる瞳孔

この瞳孔のうごきには理由があります。
自然界において、ヤギやシカ、ヒツジなんかは食べられる側ですよね。
いちはやく敵を察知するためには、視野が水平方向(左右)にひらけていた方が有利です。日差しが強いときでも、視野を狭めることなく、瞳に入ってくる光の量をしぼることができるように横長に縮むようになったと考えられています。
瞳孔の仕組みのほかに、目の位置も頭の横側についていて、人間と比べるとかなり広い視野を持っています。

編集部:なるほど、まぶしい時に瞳孔をキュッと絞っても水平方向の視野を確保できますね。

草野さん:人や犬は丸で、猫のように、瞳孔が縦長に縮む動物もいますよ。

編集後記〜
気候のほかにも、食うか・食われるかといった関係性によっても生き物は形を変えてきたのだな、とびっくり。怖かったヤギの目が、今では愛おしい!

ちなみに、白目が常に見えている生き物って少ないらしいです。なぜなら、目の動きが敵にバレてしまわないように。では、人間の目はなぜこうなったのか…?生き物の世界は不思議がいっぱいです。
(取材:2020年7月)

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