吉祥寺オフィシャルサイト

吉祥寺.me

いきものガイドツアーvol.10〜水生物園。カエルの呼吸の秘密。

吉祥寺の自然 いきものガイドツアー

当コーナーでは井の頭自然文化園 動物解説員の草野さんにじっくりお話をうかがい、いきもの達のディープな情報をお届けします。
今回は井の頭公園側に位置する「水生物館」を深掘り! (取材:2020年10月初旬)

カエルの呼吸の秘密。

草野さん:
陸上にいるカエルの喉元を見ていると、ふくらんだりちぢんだりして、呼吸しているのがわかりますね。

間近でじっくり観察できるのが水生物園の魅力!アズマヒキガエル

人間だと横隔膜を上げ下げして肺に空気を入れていますが、カエルには横隔膜がなく、喉そのものをポンプにして肺に空気を送り込んでいるんです。
さて、水中にいるカエルの喉元を、よく見てみてくださいね。

微動だにしないアズマヒキガエル

編集部:
あれ?喉元が全然動きませんね。
呼吸を止めているんでしょうか?

草野さん:
いえいえ。カエルは、皮膚呼吸もできるので、水中では肺呼吸は止めるけど、皮膚呼吸はしているんです。

編集部:
おお〜、ハイブリッドなんですね!
たまに世田谷の住宅街を歩いているのを見かけます。屋敷林が多いので、そこに住んでいるのかもしれません。

草野さん:
そうなんですか!
カエルが皮膚呼吸をするためには皮膚が常にぬれていなければなりません。
そんなカエルがすめる水辺の環境が失われつつある、というのが都市の現状なんですよ。

編集部:
複数の呼吸ができるから複数の環境で生きて行けるというのではなく、どちらの環境も必要ということなんですね。
そういえばカエルって、生まれたばかりの頃はおたまじゃくしで、水の中で暮らしていますよね。
おたまじゃくしも皮膚呼吸なのでしょうか?

草野さん:
おたまじゃくしの場合はえら呼吸と皮膚呼吸、足が生えて陸にあがると、肺呼吸と皮膚呼吸になります。

編集部:
おたまじゃくしの時は水の中、おとなになってからは陸上と水中を行き来して生きているカエルは、多様な環境のバロメーターなのかもしれません。

おすすめ記事

you're currently offline