吉祥寺でアムールヤマネコの子どもを公開中!
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井の頭自然文化園で生まれた4頭が、スクスク育っています。
2022年5月13日、井の頭自然文化園でアムールヤマネコが誕生しました。
生まれたばかりの頃は、巣箱の中で寄り添って眠る姿がとても可愛らしかった4頭。その後、すくすくと成長し、ただいま「ヤマネコ舎」で公開中です。
両親は、2021年に井の頭自然文化園にやってきた韓国のソウル大公園生まれのミレ(母親・2歳)と、タリ(父親・2歳)。
井の頭自然文化園でのアムールヤマネコ誕生は2014年以来ですが、自然繁殖では2006年以来16年ぶりのことなのだとか。
2000年からアムールヤマネコの飼育を開始。
井の頭自然文化園では、2000年8月からアムールヤマネコの飼育を始め、展示と繁殖が続けられてきましたが、近年は個体の高齢化などが進み自然繁殖が難しくなってきたため、2012年からは、日本獣医生命科学大学と共同で、人工繁殖にも取り組んできたそうです。
2014年3月には、アムールヤマネコでは初めての人工授精が成功し、2頭(1頭は死産)の子どもが誕生。
その後、昨年11月に、希少動物の飼育下繁殖を促進させるため、東京都と友好都市提携を結んでいるソウル特別市から寄贈されたのが、今回生まれた赤ちゃんの両親、ミレとタリです。
今年3月にペアリングとして同居をさせてみると、交尾が行われ、5月14日の朝に4頭の赤ちゃんが生まれていました。ビデオ映像で前夜のうちに母親のミレが出産していたので、誕生日は5月13日です。
「ツシマヤマネコ」の保護増殖のための大事な一歩。
井の頭自然文化園のアムールヤマネコは、2022年6月1日現在、4頭のおとなと、4頭の子ども(今回生まれた赤ちゃん)の全8頭が飼育されています。
日本国内でのアムールヤマネコの飼育状況は、昨年12月31日の時点で、5施設8頭だそう。井の頭自然文化園で、そのうちの半数が飼育されていることになります。実は、今回のアムールヤマネコの繁殖は国内希少野生動植物種で絶滅危惧種でもある「ツシマヤマネコ」の飼育や繁殖などに応用ができます。
アムールヤマネコは、東南アジアに広く分布するベンガルヤマネコの亜種で、その仲間のうち、長崎県の対馬のみに生息するアムールヤマネコを「ツシマヤマネコ」と呼びます。
井の頭自然文化園では、2006年から環境省とともに、ツシマヤマネコの保護増殖事業に参加していて、現在3頭を飼育しています。
山崎さん曰く、今回のアムールヤマネコの誕生は、このツシマヤマネコの保護増殖の観点からも大事な意味のあることなのだとか。これまで国内にいなかった新しい家系から生まれたアムールヤマネコであることも重要であるとともに、自然繁殖に成功したことで得られた知見を、今後のツシマヤマネコの繁殖にも役立てていくことができるからだそうです。
成長した子ども「ヤマネコ舎」で公開中。
成長した4頭のうちメス3頭は、ただいま動物園(本園)の「ヤマネコ舎」(サル山側)で公開中です。
親離れが早いアムールヤマネコは、生まれてから約半年を過ぎると独り立ちします。4頭のうち、オス1頭は、1月中旬に別の部屋へと分けられました。
3姉妹そろっての姿をご覧になりたい方は、ぜひお早めにご来園ください!
詳しくは、井の頭自然文化園 公式サイトをcheck!