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「かいぼり」の効果ってどのくらいあるの?

吉祥寺の自然

いま見える水草のほとんどは外来種。

井の頭池でのかいぼりは、2013年度、2015年度、2017年度と3回にわたって実施され、外来種のブルーギルやオオクチバスの根絶に成功したことで、在来種が増えました。
カイツブリが数多く営巣するようになったことからも、井の頭池に大小さまざまな種類の魚が増えたことがうかがえます。
カイツブリは、ヒナの体の大きさに合わせて与える餌のサイズを変えるのです。

「モネの池のよう」と話題になったのは3年前。

井の頭池
2020年5月撮影。

3回にわたるかいぼりの効果は、水草にも現れました。
池底の泥を巻き上げながら餌を食べるコイがいなくなったことで、水が濁っていると日光が入らずに生育できなかった在来の水生植物が育ちました。
干し上げた池底の土に眠っていた種が芽吹き、絶滅危惧種「ツツイトモ」や、絶滅していたと思われていた「イノカシラフラスコモ」が60年ぶりに復活し、話題になりました。

2022年のお茶の水池の様子。アオミドロの下にコカナダモが茂る。

しかし井の頭池が、かいぼり後に透き通りツツイトモの輝く美しい池であったのは残念ながら過去のことになりつつあります。
現在も水の透明度は悪くないように見えますが、実はいま見えている水草のほとんどは、外来種の「コカナダモ」です。かいぼりが行われてから5年、環境が安定し、水草の多くが外来種に置き換わってしまったそうです。

(上)コカナダモ(下)ボトルの中がツツイトモ。葉がごく細いため、よく光を通す。

もう一度、ツツイトモの美しい池を見てみたい。

ツツイトモ
2020年のツツイトモの花の写真。

日本に入ってきたコカナダモは、現在のところ雄株のみで「栄養繁殖」をしている状態。「種子繁殖」をすることがないため、一度一掃してしまえば根絶が可能とのことです。
つまり、かいぼりによって根絶できるのですが、残念ながら次のかいぼりの実施は決まっていません。
もう一度、ツツイトモの美しい池を見たいですね!

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