吉祥寺の農家の挑戦!vol.4〜田中恒男さん
吉祥寺の自然目次
春を告げる “東京うど” を育てる。
吉祥寺の北町方面には農園が広がっている地域があります。
そこでは沢山の新鮮なお野菜を育てていて、とりたてのお野菜を購入することができます。
今回は、田中恒男さんに武蔵野の特産品であるうどのお話や育てているお野菜についてお話をうかがってきました。
東京ウドの栽培の歴史
武蔵野市吉祥寺はうどの発祥地でした。江戸時代まで遡りますが、文化年間1804年から1818年頃に尾張地方からうどの根株が持ち込まれ、現在の武蔵野市内中心に産地が広がったそうです。
種から出荷まで2年もかかる “うど”
うどは、とても手間暇かけて栽培されるお野菜。
種を作り、大きくして芽が出るまで1年かかります。
そしてそれを次の年に委託農家のある高原に送ります。温暖差の激しい高原で育てることで芽が大きくなるそうです。
その大きくなった芽が戻ってきたら、今度は、日光を当てずに地下室(ムロ)で育てます。「2日間ストーブを焚いて、ムロの中の温度を一定に保ちます。
あまり暖かくしていると、枝が溶けてしまうんだそう。
なんてデリケートなお野菜なんでしょう。
そんな農家の皆さんの愛情と手間のかかったうどは、ムロの中で40~60日かけて、白く柔らかに育ちます。やっと出荷ができるようになったうどは、時間が経つと赤くなってしまいます。 ただ、赤くなっても味には関係ないそう。田中さんの育てたうどは、市場に出荷してしまう為、残念ながら直売所では購入できないそうですが、農協の新鮮館で購入が可能です。
うどの旬は12月~3月。一足先に春の味覚を楽しめる♪
うどは、食べると柔らかく、シャキシャキした食感と口いっぱいに広がる爽やかな香りが春を感じさせてくれます。そんなうどのお勧めレシピを田中さんに教えて頂きました。
■ うどの天ぷら
うどを短く短冊に切り、チーズ、カニカマと一緒に餃子の皮で巻き、天ぷら粉をつけて油で揚げる。
■ うどのきんぴら
うどの皮を長さ5㎝ほどに細切りし、酢水につけてアク抜きをする。フライパンで唐辛子、人参、うどの順に油で炒め、塩、みりん、醤油で味付ける。
柔らかいので皮まで食べれるんですね。今まで、酢の物のイメージが強かったので、とても新鮮でした。今度、ぜひ作ってみたいです。
直売所には様々なお野菜が並びます♪
うど以外の田中さんの作られたお野菜は直売所で購入可能です。
直売所は田中さんのご自宅の門を潜ってすぐのところにあります。取材した日もひっきりなしにお客様がいらしていました。
今、購入できるのは、ブロッコリー、キャベツ、白菜、カブ、小松菜、人参などなど。
今のお野菜は甘みが乗って美味しい。さらに直売所のお野菜は新鮮ときたら、最強ですよね。
田中さんから冬野菜はなぜ甘いか、その理由を伺いました。
それは、冬の寒さに負けないため、野菜たちは凍らないように糖分を出すんだそうです。
ただの水と砂糖水、先に凍るのはただの水。野菜たちが自分を守るために出す糖分が、結果的に私たち人間は美味しさという恩恵を受けることができるんですね。自然ってすごい。
多くの人に新鮮な美味しい野菜を味わってもらいたい。
サラリーマンから農家を継いで17年という田中さん、奥様と息子さんご夫婦も一緒に農家を営んでいらっしゃいます。
「農家なんて1年の半分は草むしりです。」と笑いながら話してくださった田中さん。
それでも続けている理由は、多くの人に新鮮な美味しい野菜を味わってもらいたいから。そんな田中さんの育てたお野菜を買いにぜひ、直売所に足を運んでみませんか。
田中恒男さん宅 直売所
住所:武蔵野市吉祥寺北町3−16