井の頭池の水鳥。カイツブリに加え「カワウ」も繁殖中!
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2020年に初めて繁殖!今シーズンは4つがいが営巣中!
井の頭池の水鳥といえばカイツブリが注目されていますが、もう1種、カワウも繁殖しています。
カワウは、井の頭池では2020年に初めて繁殖し、今シーズンは4つがいが営巣しました。5月にヒナが生まれ、ピィピィ、と遠くまでよく通る声が聞こえています。
冒頭の写真は、2021年5月25日に撮影されたヒナの姿です。
公園では、来園者にフンがかからないように営巣木の周りを囲っています。しばらくの間、木の下がフンで白くなっていましたが、最近の雨でフンが洗われて目立たなくなりました。
カワウはアメリカザリガニを食べている!
木の下を探すと、カワウが消化できなかった魚の骨や鱗などを固形物にして吐き戻したペレットが見つかります。
井の頭池で特徴的なのは、赤いペレットが多いことです。これはアメリカザリガニの殻です。カワウは一般的に魚を食べるとされていますが、井の頭池ではアメリカザリガニも食べているのですね。
食べ物を丸呑みするカワウ。
巣の下に、魚などが丸ごと落ちていることもあります。カワウは食べものを丸呑みにしますが、驚いて飛び立つときに吐き出してしまうのです。
井の頭池の場合、アメリカザリガニのほかに落ちているのは小さなギンブナが多いです。小ブナはカワウにとって大きさが手頃で、生息数も多いため捕りやすいようです。
カワウやカイツブリの繁殖は、在来魚が豊富に生息している証。
ギンブナはかいぼりの取組が始まる前には、外来魚のオオクチバス(ブラックバス)などに稚魚や幼魚を捕食され、とても少なくなっていました。
1回目のかいぼり(2014年)でギンブナは124匹しか確認されませんでした。外来魚の影響がなくなってからはギンブナの数が回復し、調査をすると普通に見つけることができます。
カワウやカイツブリが繁殖しているのは、ギンブナなどの在来魚が豊富に生息している証です。