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吉祥寺美術館。大坪美穂「黒いミルク―北極光・この世界の不屈の詩―」

カルチャー 吉祥寺美術館

国内外で評価されるインスタレーションを展示。5月26日まで開催中。

吉祥寺美術館では、企画展「大坪美穂 黒いミルク―北極光・この世界の不屈の詩―」を5月26日(日)まで開催しています。

アイルランド詩人ヌーラ・ニー・ゴーノルやドイツ系ユダヤ人の詩人・パウル・ツェランらの詩に着想を得たシリーズによって国内外で高く評価されているアーティスト・大坪美穂(おおつぼ・みほ)。
本展覧会では、自ら収集し染めた古布、ニュースペーパーと和紙のこよりなどをもちいて、展示室内に重厚なインスタレーションを展開します。
4月26日(金)~5月2日(木)はペニーレーンギャラリーでも同作家の特別展示を行いました。

自身の生の実証として生み出される重厚なインスタレーション作品。

大坪美穂は、人間存在を主題とするアーティストです。
現代の問題を鋭敏に感受しながら、重厚な作品空間を創出しています。
最初期には絵画や身体表現に取り組んでいた大坪ですが、家族の死と誕生、自らの病、人間の尊厳を揺るがすできごとの見聞といった経験をとおして、表現の手法を変化させていきました。近年では、自ら収集し染めた古布、ニュースペーパーと和紙による紙縒り、薄い鉛板などを素材にもちいて制作しています。大坪の作品とは、あまねく必然としての創造であり、大坪自身の生の実証であるといえるでしょう。

表現の源流にある二人の詩人の「ことば」。

大坪の作品をかたるうえで特筆すべきは、その素地にある「ことば」です。大坪の表現の源流には、彼女が豊富な読書経験や詩作などからとらえた、さまざまなことばが存在しています。わけても、ドイツ系ユダヤ人の詩人パウル・ツェラン(1920-1970)、アイルランド語によって詩作する女性詩人ヌーラ・ニー・ゴーノル(1952- )の詩は、大坪の血肉になっているといっても過言ではありません。
大坪がふたりの詩から受けとった深い感動は大規模なインスタレーションとして発露し、20年超にわたって国内外の各地で展開され、多くの人びとの心を引きこみながら、広がりと深化をつづけています。

終戦直後の荒廃した街並みが原風景であると語る大坪は、いかなる局面にあっても、作品にあらわすことによって、確かな生をつかもうとしてきました。
本展のタイトルとして大坪が選んだことば―「黒いミルク」はツェランの詩「死のフーガ」に依拠し、「北極光」「この世界の不屈の詩」はニー・ゴーノルの詩「北極光」(*)から引いています。言うなれば闇と光とが並立するタイトルですが、ここには、割り切れぬ人間のありようと、それを直視しつつ希望を見失わない大坪の力づよさとが、示されているように思います。

《歴史が降らせる雨》(部分)1990-2000年/ニュースペーパーほか ミクストメディア/©Masataka Nagano

*Nuala Ní Dhomhnaill translated by Peter Fallon from Northern Lights (2018) is reproduced by kind permission of The Gallery Press.
www.gallerypress.com / 日本語訳は大野光子氏による

吉祥寺で学生時代を過ごした大坪美穂の集大成。

吉祥寺は、大坪が学生時代を過ごした思い出深い地であり、創造の起点でもあります。
このたび満を持して当館において構成されるインスタレーションは、大坪の仕事の集大成であると同時に、皆さまとともに踏み出す、生へのあらたな一歩となるに違いありません。

「大坪美穂展―海界―」(香美市立美術館)展示風景 2008年 ©Kei Uesugi

関連イベント:4月27日(土)「コラボレーション・ダンス」※終了

深谷正子氏(ダンサー・振付家)による展示作品空間とのコラボレーション・ダンス。
開催日:4月27日(土)
開催時間:15:00〜16:00
開催場所:吉祥寺美術館 企画展示室
対象:どなたでも
申込み:不要、先着順
・当日直接会場にお集まりください
・混雑状況によっては、安全のため入室制限をおこなう場合がありますのでご了承ください
参加費:無料(要入館、当日の入館券をご提示ください)
募集人数:同時入室上限 約25名
出演:深谷正子氏
主催・問合せ:吉祥寺美術館(TEL 0422‐22‐0385)

関連イベント:5月11日(土)「対談」大野光子氏・大坪美穂氏」

ヌーラ・ニー・ゴーノル氏の詩について、アイルランドにおける大坪氏の展覧会や本展出展作品についてなど、大野光子氏(愛知淑徳大学名誉教授(アイルランド文学・文化専攻))と大坪美穂氏に対談いただきます。
開催日:5月11日(土)
開催時間:14:00〜15:00(開場:13:45)
開催場所:吉祥寺美術館 音楽室
対象:どなたでも
申込み:不要、先着順
・当日直接会場にお集まりください
参加費:無料(要入館、当日の入館券をご提示ください)
募集人数:60名
講師:大野光子氏、大坪美穂氏
主催・問合せ:吉祥寺美術館(TEL 0422‐22‐0385)

特別展示『大坪美穂―言葉は風となり―』※終了

コピス吉祥寺A館1階、吉祥寺美術館と同じ建物内にある「ペニーレーンギャラリー」でも、以下の会期で作家の特別展示を開催しました。
会場:PENNY LANE GALLERY
(コピス吉祥寺A館1階)
会期:2024年4月26日(金)~5月2日(木)
開場時間:11:00~18:00
※初日は14:00から、最終日は15:00まで
入場無料・会期中無休

吉祥寺美術館『大坪美穂 黒いミルク―北極光・この世界の不屈の詩―』

会期:2024年4月13日(土)〜5月26日(日)
開館時間:10:00~19:30
開催場所:武蔵野市立吉祥寺美術館 企画展示室
入館料:一般300円、中高生100円
※小学生以下・65歳以上・障がい者のかたは無料
主催 武蔵野市立吉祥寺美術館(公益財団法人 武蔵野文化生涯学習事業団)

詳しくは吉祥寺美術館サイトでCheck!

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