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動物園の謎。なぜ3頭いる「ツシマヤマネコ」が1頭しか展示されないのか?

吉祥寺の自然 ツシマヤマネコ

絶滅危惧種を野生に復帰させたい。井の頭自然文化園でチャレンジ中!

東アジアに生息する「アムールヤマネコ」は、実は日本にもくらしています。約10万年前に朝鮮半島と日本が陸続きだった頃に大陸から渡ってきた近縁の「ツシマヤマネコ」です。「ツシマヤマネコ」は長崎県対島にだけ生息し、国の天然記念物にも指定されています。
2013年の環境省の調査によると、野生でのツシマヤマネコの個体数は推定70頭〜100頭。絶滅の危険が高い動物です。

井の頭自然文化園は環境省と日本動物園水族館協会が取り組む、ツシマヤマネコの保護増殖事業に参画し、現在は、オス1頭とメス2頭の「ツシマヤマネコ」が飼育されています。
3頭のうち、見ることができるのは、昨年11月15日に名古屋市の東山動植物園からやってきたメスの「もも」。2006年福岡市動物園生まれの13歳で、保護増殖事業の普及啓発により展示されています。
他の2頭は落ち着いた環境での繁殖を目指し、非公開施設で飼育されています。2頭の姿はヤマネコ舎に設置されているライブ映像画面で見ることができます。

ヤマネコライブ映像コーナー

「アムールヤマネコ」の繁殖成功に倣って!

井の頭自然文化園は、2012年から日本獣医生命科学大学と共同でツシマヤマネコに近縁な「アムールヤマネコ」の人工繁殖の取り組みを行っています。
「ツシマヤマネコ」の繁殖に貢献している「アムールヤマネコ」。井の頭自然文化園では、2020年2月3日現在2頭が展示されています。
2013年には人工授精による「アムールヤマネコ」の繁殖に成功しました。その実績を踏まえ、「ツシマヤマネコ」の人工授精による繁殖にもチャレンジ中です。
絶滅の恐れがある「ツシマヤマネコ」を、いつの日か野生にかえそうという壮大なプロジェクトに環境省と動物園で取り組んでいます。

ヤマネコと信頼関係を築くトレーニングとは?

アムールヤマネコのトレーニング

井の頭自然文化園では、ヤマネコたちの飼育管理のために「ハズバンダリー・トレーニング」に取り組んでいます。野生動物であるヤマネコにできるだけストレスを与えないようにしながら体重測定などの健康管理や、信頼関係を築くためのトレーニングです。
ヤマネコにターゲットとなる棒の先に鼻をつけることを覚えてもらい、ターゲットを目印にヤマネコを誘導します。うまくできたときは合図にホイッスルを吹いてご褒美として小さな肉を与えます。最終的な目標は、採血やワクチン接種をスムーズにおこなえるようになることです。

「みてみてえさの時間だよ」は不定期開催。スケジュールは公式サイトでご確認いただけます。
飼育員の唐沢さんの、地道な積み重ねの成果を、ご自分の目で確かめてください。

井の頭自然文化園公式サイト「みてみてえさの時間だよ」をCheck!

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